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三浦清史

サイタマミューズフォーラム代表・建築家

アートコロニー展を開催

 

  • 角田 まず、三浦さんのご出身はどちらでしょうか。

    三浦 父親の実家は静岡なんです。母親は人吉で、埼玉に嫁いできたんですが、僕が生まれたときは千葉県に住んでいました。

    角田 複雑だ(笑)。

    三浦 あちこち行っているんです。だから僕は文章を書いたりした時に、その時の気分で、いろんな場所が出生地になったりしています(笑)。

    角田 今は埼玉にお住まいですね。

    三浦 はい、そうですね。

    角田 埼玉に移転されたのはいつ頃でしたか。

    三浦 もう30年近くなるかな。

    角田 さて、三浦さんは別所沼のヒアシンスハウスを中心にして今回、アートコロニイ展というイベントを行いましたが、どのような経緯でこのような活動に入ってこられたんでしょうか。

    三浦 僕は建築が専門なんですが、いま、サイタマミューズフォーラムという団体の代表をやっています。このサイタマミューズフォーラムというのは、もともと別所沼畔にヒアシンスハウスを作ったメンバーが元になっているんです。

    角田 時期的にはいつ頃の話ですか。

    三浦 2002年にヒアシンスハウスを作る会が発足しました。そして2004年にあのヒアシンスハウスが完成したんです。

    角田 そうでしたね、思い出しました。ヒアシンスハウスは立原道造の想いを具現化したものですね。

    三浦 はい。その後、それに関わった美術関係の方々が、あそこを美術の拠点にしたらどうだろうかということで、毎年、夢まつりというのをやるんです。それがサイタマミューズフォーラムということで

    角田 別所沼のヒアシンスハウスというのは、美術関係の方はもちろんですが、建築関係や、文学関係の方々も絡んでいますよね。

    三浦 サイタマミューズフォーラムというのが美術関係の方々からの分派というか、枝分かれというふうに捉えて良いのだと思います。

    角田 ということは、最初は美術関係の方々によって活動が始まったと言うことですね。

    三浦 サイタマミューズフォーラムはそうですね。でも、ヒアシンスハウスの会はどちらかと言えば文学関係者、特に北原立木さんや大宮の建築家である永峰富一さんが中心となって活動しました。

    角田 立原道造という人物は詩人として認識していますが、同時に建築家でもあったんですよね。確か24歳という若さで急逝しました。

    三浦 そうですね、建築をやっていて道造が好きになった人も多いんです。でも、別所沼のヒアシンスハウスに見学に来られる方の多くは文学のほうで道造が好きだという方ですね。ただ、文学の方はSNSなどであまり発信しないんですよね。どちらかと言うと発進力が強いのは建築の方じゃないかな。だからインターネットで検索すると建築の方々が投稿した情報が多く出てくるようです。

    角田 なるほど、そういうものですか。文学関係の方は、あまりインターネットに発信したりしないんですかね。ところで、立原道造は建築家でもあったわけですから、当然のように三浦さんもそちらの方から興味を持たれたんだと推測します。

    三浦 僕も北原さんも、ヒアシンスハウスを作るというときに日本建築家協会に募金集めを求めたんです。永峰さんも日本建築家協会のメンバーでした。ですからヒアシンスハウスを作る会というものに僕も参加していました。

    角田 昔、北原さんと対談したこともあるんです。その時もヒアシンスハウスは話題になりましたが、、ヒアシンスハウスを作る会の発起人でもあったんですよね。

    三浦 そうですね。ヒアシンスハウスを作る会は北原さんと永峰さんが中心となって発足しましたからね。

    角田 ところで、埼玉に来られる前から立原道造のヒアシンスハウスについてご存じでしたか。あ、建築家ですからご存じだったかな。

    三浦 いや、そうでもないんですよ。ヒアシンスハウスを作る会に参加した方でも、立原道造が建築をやっていたということを知らなかった方もいました。僕は、埼玉に引っ越したときには知らなかったんですが、ヒアシンスハウスを作る会に入る5~6年前には知っていました。建築家の集まりや勉強会などで話題になったりしましたから。

    角田 なるほど。

    三浦 東大の製図室には道造の設計図が飾ってあったりしますから、東大の建築家の方々は立原道造に傾倒している方が多いんです。

    角田 立原道造という人は一般的には詩人として知られていますが、大学が東大の建築学科ですから、もともとは建築家で、詩のほうが後だったんでしょうか。

    三浦 いや、やはり詩人としての活動の方が先立ったと思いますよ。

  • 角田 ところで、建築というのは、そもそも建物を作るための作業の一環ですから、アートというよりは工業的な意味合いの方が強いと思うんです。でも、著名な建築家が設計した物になると。芸術作品としてみられる一面もありますね。例えば「黒川紀章のアート作品」というような言い方をされたりしますね。

    三浦 まあ、建築家のマスターベーションのようなもので、一般の皆さんに通じるものかどうかはわかりません。でも根底にはアートにしたいという意識はみんな持っていると思います。

    角田 さて、今回のイベントについてもお話しをしていきましょう。どのような内容をメインとして行われたんですか。

    三浦 2つの点で捉えています。まず、みんな「アート」と言っていますが、どなたも違うイメージで語っているのではないか。そこでそれぞれの人達のアート感というのはどんなものだろうというのをアンケート調査で集めてみたいと言うのが1つあります。もう1つは同じようにアンケートなんですが、コロナの時代にみんながどのようにアートに接することができただろうか。これは場の問題もあるし、機会の問題もある。さらに浮き彫りにした様々な問題点も検証したいというということなんです。ディレクターをされた浅見俊哉さんの気持ちはこのようなものだったと思います。

    角田 なかなか難しいテーマではありますね。

    三浦 これをどういう場所で展開するのかということで考えたのがヒアシンスハウスなんです。サイタマミューズフォーラムの出た所でもありますから。そこを舞台にし、何人かの作家を選んで展覧会とワークショップを行いました。そして最終日には舞踊家の藤井彩加さんによる舞踊を作品の周りで踊り、作品を結びつけるというようなことでフィナーレを迎えました。

    角田 今回のアートコロニイ展には何点の作品を展示したんですか。

    三浦 数については多くするかどうか議論はあったんですが、今回、庭に展示したのは浅見俊哉さんと石上城行さんの作品です。ワークショップは加藤典子さんと矢花俊樹さんでした。舞踊も入れて合計5つのアイテムで開催したわけです。

    角田 短い期間での開催だったと思いますが、どのくらいの方々が来られましたか。

    三浦 延べで1000人は超えたと思います。最後の舞踊とワークショップが多かったと思います。あとはずっと晴天に恵まれたので良かったです。

    角田 別所沼会館で講演会も行われていましたね。

    三浦 はい、本家本元のヒアシンスハウスの会が毎年行っているものなんです。

    角田 このようなイベントは今後も続けて行かれますか。

    三浦 はい、ディレクターの浅見さんはそういう考えですね。

    角田 さて、この辺でサイタマミューズフォーラムについてお話しを進めましょうか。

    三浦 サイタマミューズフォーラム長い名前なので略称をSMFとしています。宣伝になるかもしれませんが、SMFでは毎年、宝船展という展覧会を開催しています。

    角田 それはどこで行っているんですか。

    三浦 北浦和の県立近代美術館です。それで、SMFというのは元々は団体の名称ではなかったんです。埼玉県の美術館5館が連携し、文科省の助成を取って行っているプログラム名だったんです。で、助成がなくなってから、せっかくだから自立させようと言うことで任意団体としてスタートしたものです。

    角田 5館の美術館というのはどこでしょうか。

    三浦 入間市美術館、うらわ美術館、川口市立アートギャラリーアトリア、川越市立美術館、埼玉県立近代美術館です。

    角田 なるほど、このSMFが出来たときから三浦さんが会長ですか。

    三浦 独立したときからですね。

    角田 で、その宝船展というのは?

    三浦 アートについて夢を語り合おうというのが発端で、その夢を展示するのがもともとだったんです。

    角田 具体的には、どのような形で行ったんですか。

    三浦 A4くらいの用紙に、それぞれが夢を語ります。「自分はこういうことをやりたい。協力する人はいませんか」みたいに。そうしたら。どうせならそれを実現した作品も展示しようということになりました。最初は1日だけの小さな展覧会だったんですが、それが定例化して毎年行うようになりました。

    角田 繰り返しになりますが、SMFは立原道造のヒアシンスハウスと強い繋がりがあったというように解釈していいんですね。

    三浦 はい。ヒアシンスハウスをシンボルとして文学、建築、美術、音楽、舞踊など、ジャンルを超えて様々な芸術を愛する人々が交流しし、活動する創造的な場を作ろうという機運を受け継ぎ、その流れの展開を目指そうとするものなんです。

    角田 SMFには誰でも参加することができますか。

    三浦 はい、SMFはアートの力で地域とミュージアムを結び、多くの人がつながっていくためのプラットフォームなんです。ですから趣旨に賛同して共に活動して下さる方はどなたでも入会できます。

    角田 いくつかの会員種別があるようですね。

    三浦 正会員、フレンド会員、サポート会員の3種類です。SMFは様々な行き方をしてきた人が集い、触発し合いながら、まだ見たことも聴いたことも経験したこともないようなモノゴトを作り出すこと、これまで見えなかったモノゴトが見えるようになること、これまでとモノゴトが違って見えるようになり、生きることが豊になることを目指しています。

    角田 わかりました、なかなか大きな目標だと思います。申込はどのようにしたら良いですか。

    三浦 SMFのメールでお申し込み下さい。定期的に開催されるフォーラムの会場で直接申し込むこともできます。

    角田 メールアドレスは?

    三浦 entry@artplatform.jpです。お問い合わせを頂く場合は事務局が埼玉県立近代美術館の中にありますので、よろしくお願いします。電話番号は048(824)0110です。担当は中村と大越です。

    角田 わかりました。多くの方が賛同して、ますます活動が活発になるといいですね。今日はお忙しいところをありがとうございました。

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