沼倉ノリ子(人形劇団モナリ座代表)

子どもたちに夢と希望を

沼倉ノリ子

角田 モナリ座という人形劇団はいつ頃できたんですか?
沼倉 1980年でした。
角田 どのような経緯で人形劇団が作られたのでしょうか。
沼倉 1980年の5月に、旧浦和市の中央公民館でボランティア人形劇講座というのが開かれたんです。その講座に参加した人たちのグループが同じ年の9月にモナリ座を発足させました。
角田 沼倉さんも参加者のお1人だったんですね。その時の講師はどんな方でしたか。
沼倉 人形劇団ひとみ座の宇野小四郎先生でした。
角田 その時に公民館に集まった方というのは何人くらいでしたか。
沼倉  50人はいたと思いますよ。
角田 ほう、そんなに
沼倉 当時、人形劇はとても関心が高かったんです。
角田 それだけ大人数の中から、何人でモナリ座を発足させたんですか。
沼倉  17人でスタートしました。その後、1981年から1983年にかけて中央公民館主催の人形劇講座を受講して以来、多くの方々のお力添えで今日に至っています。主な活動場所はさいたま市の岸町公民館で、毎週金曜日に例会や練習などをしています。
角田 発足したのが1980年ということは、今年で 38年ですか。長い歴史を刻んでこられましたね。ところで、人形劇ですから当然のことながら人形がないとはじまりませんね。あの人形は購入してくるんですか。
沼倉 いえいえ、私の手作りですよ。
角田 作ると言っても、けっこう大変でしょうね。
沼倉 大変ですよ。人形劇って言うのは引きつける力はありますけど手間がかかるんです。人形を作るだけでなく、構成やシナリオ作り、そのほか様々なことがあります。小さな所帯ですから大変なんです。
角田 なるほど、脚本までご自分たちで作られるんですね。
沼倉 ほとんど私が作っています。
角田 それは大変だ。
沼倉 出来たシナリオに従って練習していると、やっているうちに台詞などを変えた方がいいと思うこともあるんです。
角田 そうなんでしょうね。シナリオというのは台詞が主体ですね。でも状況説明なども書き込んでいかないといけないですよね。小説を書くのとはまた違った表現方法が必要なんだろうと思います。ところで既存の物語をシナリオにするんですか。オリジナルもあるんでしょうか。
沼倉 既存の話が多いですね。著作権などもありますから、そのあたりを考えて著作権の切れた民話などを使ったりします。
角田 そうか、民話なら著作権は問題ないですね。
沼倉 はい。それと作家でも宮沢賢治のように著作権の切れている作品もあります。
角田 なるほど
沼倉 オリジナルも少しは作ります。たとえば地元の浦和に伝わるお話などをシナリオにしてやってみたいんですが、なかなか話が広がらなくて難しいですね。でもこれからはそれもやってみようかと考えていますよ。
角田 いいですね、地元に伝わる話なんて、すばらしいと思います。
沼倉 見沼通船堀にまつわる話もいろいろとありますね。龍神の話なども
角田 そうなるとまた新しい人形を作らないといけないのかな(笑)。
沼倉 そうそう。でも、人形だけじゃなくて影絵もいいかなって思っているんです。
角田 モナリ座では影絵もやっているんですか。
沼倉 はい、影絵も行っています。影絵はOHPを使ってやるのと、立ち絵というのがあります。
角田 OHPでやるというのは知りませんでしたね。
沼倉 それを主にしないでバックに使うんですね。
角田 ほう
沼倉 立ち絵とOHPとでは陰の黒さが違うんですね。やはり立ち絵のほうが黒々と出ますから
角田 ところで、県からなにか表彰されていますよね。去年だったかな。
沼倉 はい。去年の 1221日でした。教育ふれあい賞というのを頂きました。これは人形劇団モナリ座に対して頂いたものなんです。表彰の時に、ただ賞状をもらうだけでなく、モナリ座は発表もしたんです。人形劇をやりました。
角田 たとえばこのような人形劇に興味があって、団員になりたいという人がいた場合は入れるんですか。
沼倉 人形劇が好きで、協調性のある方なら、入って頂きたいですね。
角田 それとは別に、人形劇をやってほしいという依頼をしたい場合は、来てもらえるんですか?

沼倉 スケジュールがあえば、行きますよ。毎年20回以上出かけてます。
角田 主にどのようなところに出かけて行きました?
沼倉 保育園とか自治会などは多いですね。あと、活動が長いので、決まったところも沢山あります。毎年出かけて行くところなど。図書館とか公民館、学校など、決まったところは10回くらいあります。ただ、大きな人形がたくさんありますから運搬が大変なんです。
角田 そうか、人形劇だから人形の運搬が必要になるんですね。小さな人形なら簡単ですが、大きなのだと大変だ。
沼倉 そうなんですよ。
角田 しかも人形だけじゃなくて舞台や背景などもありますね。
沼倉 現地にいってから調達できるものもありますよね、たとえば長机とか。そのようなものを活用して舞台を作るというのも考えないといけないかな。その方法だと幕だけ持って行けばいいし
角田 長いこと人形劇団を続けてこられたわけですが、これを続けていく上で最も大変だったことはどのようなことですか。
沼倉 皆でやってこなくてはいけないんですよね。1人では出来ないことですから。でも、私の性格からか、つい厳しく言ってしまうことがあるんです。見てくれている人たちに、良いものを見てほしいという気持ちがあるからでしょうね。共同で何かを作り上げていくというのは、とても難しいことだと感じています。
角田 うん、何かをしようとしたときに、それに対する思い入れとか温度差のようなものが人によって違うんですよね。
沼倉 その通りですね。
角田 温度差とか思い入れの違いがある、大勢の人を束ねて作り上げていくという作業、代表者にとってはとても大変なことですね。
沼倉 はい。それでも、公演に行って、見てくれている人や子どもたちが喜んでいる姿を見ると、みんな楽しいと思うらしいですよ。
角田 さきほどもちょっと話に出ましたけど、これから浦和にあった民話や話をやっていきたいということでしたよね。今後このモナリ座という人形劇団をどのようにしていきたいか、抱負などがありましたらお聞かせ下さい。
沼倉 代替わりしたい(笑)。それを言ったらいけませんが、なかなか大変です。何しろ、シナリオを作って、人形を作って、公演までもって行くという作業は難しくてね
角田 人形劇を映像で残していったりするのもいいですよね。
沼倉 あ、映像はね、沢山あったんですよ。でも火事にあってほとんどなくなってしまったんです。メンバーは優しいから何も文句は言わないんですが、本当に残念でした。主人が焼け跡から、いくつかの写真を見つけ出してくれました。
角田 それは残念ですね。今後も写真や動画で残していくといいですね。特に動画はいい。
沼倉 そうですね。ぜひ作っておきたいと思います。
角田 さて、聞いた話なんですが、今年はとても大きな賞をいただけるそうですね。これからなんですか?
沼倉 まだ内定という段階ですよ。先のことはどうなるのか
角田 でも、内定ですから、本決まりでしょう。どんな賞ですか。
沼倉 あの、緑綬褒章っていうのだそうです。
角田 えっ、それはすごい。勲章じゃないですか。これは大変だ(笑)。昨年、埼玉県からもらったのとは違って、それだとグループとしてではなく、沼倉さん本人に対してですか。
沼倉 いえ、個人に対してだと、黄綬褒章というらしいんです。私はね、個人ではなくグループとして頂きたいと言ったんですよ。それで緑綬褒章ということになりました。
角田 そうか、モナリ座としてもらうことにしたんですね。そんなこと言わずに個人としてもらっておけば良かったのに(笑)。
沼倉 私個人としていただいても誰も文句は言わないとは思うんですが、でもグループとして頂きたいという気持ちが強かったんです。
角田 なるほどね。でも素晴らしいことですね。ところで頂くのはいつ、どこでですか。
沼倉 5月12日だそうです。霞ヶ関の総務省に集合して、そこからバスで皇居に行くんです。拝謁があるんです。だから私は「行かない」って言ったんです。そしたらみんなから「行かないと駄目」って言われてしまって。行くことにしました。
角田 そりゃ、行かないと駄目ですよ。素晴らしいことなんだから。
沼倉 はい。
角田 今後の公演予定ですが、どんなスケジュールになっていますか。
沼倉 4月21日に岩槻図書館で行います。その後は7月7日に大門小学校を会場に行います。今年は5月と6月はないんです。
角田 会場が小学校と言うことは、小学校の児童や関係者しか見られないんですか。
沼倉 いえ、誰でもいいんですよ。で、大門小学校の後は、7月20日に中本公民館で行います。
角田 公演を見たいという方は沼倉さんに連絡すれば詳しいことは教えてもらえるんですか。
沼倉 はい、そうですね。お電話をいただければ大丈夫です。
角田 あとは、先ほども話に出ましたが、入会したいとか、公演を依頼したいという場合も沼倉さんに連絡ですね。
沼倉 そうしてください。電話番号は048(637)2946です。
角田 今日は楽しいお話をありがとうございました。